お施主様インタビュー|「暮らす」ようなクリニック

今回は、新規開業のためリフォームを行ったまつのき内科・内視鏡クリニック 松本美野里院長に完工時インタビューを行いました。クリニックリフォームは最近増加傾向にありますが、物件によってこだわりポイントやストーリーは様々です。本記事の内容を、ぜひご参考にしてみてください。

クリニック情報

クリニック名:まつのき内科・内視鏡クリニック
診療科目:内科 / 内視鏡内科 / 消化器内科
所在地:神奈川県 横浜市
工事内容:新規開業のため新装工事
施工面積:192㎡

インタビュー

松本美野里 院長

お施主様である松本美野里院長に、リフォームの意図やこだわって計画されたポイントについてインタビューさせていただきました。

ミサワリフォーム(以下「ミ」):今回「開業のきっかけ」となった事柄をお聞かせください。

院長(以下「院」):「患者様と近い距離で診療できる場所が欲しかったこと」が大きな理由です。

3年ほど前から、女性を対象としたがん検診啓蒙活動に携わる機会が増えました。その際に、「検査を受けたいと思っているが、どうしたら良いのかわからない」と相談されることがあり、内視鏡検査について情報を提供し、診察、検査まで自分でできるクリニックがあったらいいのではないかと思い、開業を考え始めました。

ミ:実際に開業計画を考え始めたのは、いつ頃でしょうか

院:1年ほど前(2022年4月頃)からリフォーム会社などを探し始めました。実際にミサワリフォームの方に初めてお会いしたのは、6月頃でしたね。

ミ:数あるリフォーム会社の中から「ミサワリフォームを選んだきっかけ」は何でしょうか

院:最初のきっかけは、知り合いからの紹介でした。ミサワリフォームの担当者とお会いした際「暮らすみたいな空間で医療ができたらいいですよね」とお話されていました。

一般的な医療施設は、清潔感はあるけれどどこか冷たい感じがするものですよね。しかし「友達の家に来たようなクリニック」で検査を受けたら、きっと患者様も緊張せずにお過ごし頂けるかなと思えたのです。
その担当者の言葉が決め手で、ミサワリフォームにお願いしてみようかなと思いました。

ミ:最終的にミサワリフォームを選んでいただいた理由は何だったのでしょうか。

院:ミサワリフォームの対応力と担当者の話しやすさに安心できたのが、1番の理由です。物件自体に設計の制限がありましたが、そういった個別事情にも柔軟に対応して下さいました。
またミサワリフォームは、プランの提案、見積もりが出てくるスピード感が早かったです。提案に対して目の前で設計の方が内容を詰めてくださったりと、対応力もとてもよかったです。

担当者や設計者の方もすごくお話しやすい雰囲気でいてくれたこと、週一回の打ち合わせのほかにメールでの連絡や変更点に対しても、すべて嫌な顔一つせずパっと対応してくださいました。
そんな経験に基づく対応力の高さからも、ぜひクリニックを任せたいなと思えました。

ミ:実際に完成したクリニックはいかがでしたでしょうか。

院:こだわっていた「動線」が思った通りでした!計画時から、患者様とスタッフの居住空間が交わらないことを徹底してもらいました。
「患者様が内視鏡検査したり、リカバリー室で休んだり…」といったエリアを人が横切ることが無いようゾーン分けされているので、患者様が落ち着いて過ごせる空間になったと思います。

また「物件の特性を生かした設計」についても、ミサワリフォームさんが叶えてくださいました。

元々大きな窓がいくつもある建物だったので、その解放感を生かすために「待合室は窓がある場所に作る」、「なるべく窓をふさがないように三方窓を活かす」といった配慮をお願いしました。
そのため出来上がった待合室はとても明るく、開放感のある空間になり満足しています。

内装について

ここでは、内装の詳細についてご紹介していきます。一般的なクリニックとは一味違うおしゃれなインテリアで、患者様の過ごしやすさに配慮した計画となっているのが魅力です。

前処置室

初めての方は、下剤等の飲み方がわからない方も多いです。そのため、看護師の方がカウンター越しで立ちながら説明できるスペースを設けました。下剤を作るスペース(水場)も確保しているので、作業がスムーズに行えます。

前処置室横のベッドは、ゆとりのあるスペースが確保されています。患者様のプライバシーに配慮しつつ、医療従事者が経過観察や処置をしやすい設計です。

内視鏡室

内視鏡室は、全体的にすっきりした内装になっています。クリーム色の優しい色味でコーディネートされているので、優しく柔らかな雰囲気です。調光ライトと、洗い場の上にダウンライトを取り付けて手元を明るくしたことが特徴です。

着替えのための更衣コーナーは建物の隅に配置されているので、余計な気を遣わず使用できるのが特徴です。

待合室

待合室は、グリーンの壁面クロスが特徴的なデザインです。クリニックというよりはカフェのようなおしゃれな雰囲気で、軽やかな印象となっています。

このクロスは、以前院長がご自宅をリフォームされた際の壁紙と同じものです。気に入られたデザインだったため、今回のリフォームにも導入しています。こういったデザインからも「暮らすようなクリニック」というコンセプトが伝わってきます。

もう一つのこだわりポイントは「窓」です。日当たりの良い大きな窓で、採光がしっかりと確保されています。
またブラインドに関しても、あえてプラスチック製ではなく「木のブラインド」を選定しました。建築規定上「防炎素材」にする必要がありましたが、設計者が適合する製品を探し出して提案したという経緯があります。お施主様は「女性の設計士だったので、叶えたいイメージの共有も楽で理解してくれていた」とお話されていました。

パウダールーム

女性の使いやすさを考えて、トイレの看板部分はマグネットで変更できるよう工夫しています。女性限定、兼用と日によって変えられるので、患者様が利用しやすくなっています。

明るく温かみのあるトイレで、間取りの奥側に配置されており消音機も併設しています。プライバシーに配慮されているため、安心して前処置ができます。

診察室・バックヤード

診察室は十分な広さが確保されており、患者様の診察や検査がスムーズに行えます。

スタッフが使用するバックヤードは、コンパクトでありつつ作業性も十分に考慮されています。テーブルでは休憩や軽作業ができ、休憩時間をリラックスしながら過ごせるでしょう。

洗濯や給湯を行うスペースは、すっきりとまとめられています。患者様の通る待合室や診察室とは動線が分けられているので、スムーズな部屋の行き来が可能です。患者様にスタッフの作業の様子を見せないことで、バタバタした印象を与えることもありません。

まとめ|リフォームで居心地の良いクリニックに

今回のクリニックリフォームは、「暮らすような空間」がコンセプトです。女性設計士と共に計画した内装は、グリーンの爽やかなクロスや木製ブラインドなどおしゃれな雰囲気にまとまっています。

クリニックは一般的に無機質な印象になりがちですが、工夫を凝らせばカフェのように居心地の良い空間にリフォームできます。今回の事例を参考に、ぜひこだわりの計画をプランしてみてはいかがでしょうか。