「日本酒は敷居が高そう…」というイメージを持たれている方は、意外と多いのではないでしょうか。そんな方には「テイスティング」でのお試しがおすすめです。日本酒の飲み比べで、新たな味わいに気付けるかも?

今回は、ミサワリフォーム主催で行われたイベント「今‼日本酒を知ろう!」の内容をご紹介します。講師は東京・西荻窪にある「三ツ矢酒店」店主の鴨志田知史さんです。イベントでは日本酒の飲み比べを実施し、それぞれの特徴や違いについて教えて頂きました。

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日本酒を飲み比べてみる

今回のイベントで飲み比べした銘柄は、6種類です。ここでは、それぞれの銘柄の特徴や参加者の方の感想をご紹介します。

①紀土 純米大吟醸 Sparkling
②日高見 芳醇辛口純米吟醸 弥助
③日高見 純米 山田錦
④吉田蔵u Night & Dance (ユー ナイト アンド ダンス)
⑤吉乃川 みなも 中汲み 純米大吟醸原酒 2022BY (新潟S-9酵母)
⑥吉乃川 みなも 中汲み 純米大吟醸原酒 2022BY (TR8酵母)

①紀土 純米大吟醸 Sparkling


「紀土 純米大吟醸 Sparkling」は、精米歩合50%のスパークリング純米大吟醸です。アルコール度数14%と、ワインと同程度の度数となっています。そのため初心者の方にも飲みやすく、あっさりと楽しめるのが特徴です。

製法は炭酸ガスを注入するのではなく、シャンパンと同じ「瓶内二次発酵による発泡」です。細かく繊細な泡で、爽快感ある香りとやさしい甘味が感じられます。

リーズナブルな価格で購入できるため、「普段は日本酒にあまり馴染みがない」という方にもピッタリの銘柄です。

②・③「日高見」シリーズ

「日高見」は、宮城県の石巻にある平孝酒造が製造しています。石巻には世界三大漁場のひとつ「三陸・金華山沖」があり、魚介類が豊富にとれる土地です。そのため、魚介料理との相性が抜群で「素材の良さ」を引き立てます。

「芳醇辛口純米吟醸 弥助」は、穏やかで飲みやすい日本酒です。白身や甲殻類、イカ、貝類など、繊細な甘味を持った食べ物に「寄り添いながら引き上げる」味わいとなっています。

日本酒に含まれている糖分と酸が少なければ、「淡麗」と呼ばれるスッキリした味わいに仕上がるのです。

一方で「日高見 純米 山田錦」は、きれいな酒質でありながら芯が強い味わいです。味の濃いお酒と並べて飲んでも飲み負けしない存在感があり、味に厚みのあるふくよかな含み香があります。

綺麗で清涼感のある味わいで飲みやすいので、幅広い年齢層の方に人気です。

④吉田蔵u Night & Dance (ナイト アンド ダンス)

「Night & Dance」は、アルコール9%という低度数が特徴の銘柄です。暑い夏に合うフレッシュ爽やかな飲み心地で味のバランスが良く、「米と水と酵母のみ」というシンプルな原料で醸しています。


実は、蔵元の社長自身がアウトドアがお好きなんですよね。

そんな社長の「キャンプ時にも日本酒を飲んでほしい」そんな思いがあります。

また、最近ではどんどん若い方がお酒飲まなくなっている傾向がありますが、老若男女を問わずカジュアルに味わえるお酒なので、おすすめです。

⑤吉乃川 みなも 中汲み 純米大吟醸原酒 2022BY (新潟S-9酵母)

「みなも 中汲み 純米大吟醸原酒 2022BY (新潟S-9酵母)」は、「みなも」シリーズの最高峰に位置づけられている銘柄です。搾りの中で最も味わいの現れる「中汲み」を使用しており、香り高くフレッシュな味わいを楽しめます。

酒米や酵母の一つひとつにこだわり、原材料には新潟S-9酵母を使用しています。伝統的な吉乃川らしい「キレ」がクセになります。

ちなみに「酵母(こうぼ)」とは、麹によって生じた糖分をアルコールに変える働きをするものです。

日本酒は繊細で、空気に触れると風味が落ちてしまいます。そのため「みなも」ではボトルを1本1本手で詰めており、出来たままの繊細な状態を保つ工夫がされています。

手間が掛かるぶん生産本数は少なくなってしまいますが、豊かな味わいに繋がっているのです。

またボトルのラベルデザインは、飲料水の「いろはす」を手掛けたデザイナーの方に依頼されています。

イベント参加者の方からは「ラベルがおしゃれなので、プレゼントにもいいですね」という声が聞かれました。

⑤吉乃川 みなも 中汲み 純米大吟醸原酒 2022BY (TR8酵母)

「みなも 中汲み 純米大吟醸原酒 2022BY (TR8酵母)」は、酵母に「TR8酵母」を使用した銘柄です。酢酸イソアミル系の、バナナのような甘い香りが特徴です。全体的に甘めですが、ほど良い酸味のある酒質に仕上がっています。

トロピカルな風味があり、イベント参加者の方からは一番の人気でした。「フルーティーなのでおつまみいらず!これだけで楽しめる」という声も聞かれました。

ちなみに「純米吟醸酒」とは「精米歩合60%以下の白米・米麹・水を原料として吟醸造りで製造した清酒で、固有の香味および色沢が良好な物」のことを指します。

日本酒豆知識

ここでは、イベントでのテイスティングや参加者の方からの質問をベースに、日本酒に関する豆知識をご紹介します。

店主が教えるお酒のテイスティング方法

─日本酒の美味しさを味わう、テイスティング方法を教えてほしいです。

若い世代だと「日本酒は敷居が高い…」と思われている方も多いのではないでしょうか。しかし日本酒は「まずは”美味しい”と感じること」が1番です。お酒のテイスティング手順は、下記のように意外とシンプルです。

①まずは飲む前に香りを比べる
②少し空気を絡めて、ズズズと吸うように飲む
③吐き出す

日本酒はぐっと飲まず、空気と一緒に少しずつ口に含むと味がよく分かります。また何杯も飲むと酔ってしまうため、アルコールに強い方でも最後に吐き出すようにするのがおすすめです。

実際にお店で何種類かテイスティングしてみると、ご自分に合ったお酒がきっと見つかるでしょう。

日本酒の期限は?開封後はすぐに飲んだ方が良い?

──日本酒は封を開けたら、すぐ飲んだほうがいいのでしょうか?


日本酒には、基本的に賞味期限はありません。

そのため、好みにもなってしまうので一概には言えませんが、

日光や温度に敏感な飲み物なので、開封後は時間の経過とともに風味が変わっていきます。

生産者としては、「ラベリングした時がベスト」というのが本音かなと思いますね。

今夜日本酒を楽しんでみてはいかがでしょうか

最近では「日本酒離れ」が進んでいるとも言われますが、アルコール度数の低い銘柄やおしゃれなラベルの銘柄など、初心者にも挑戦しやすいタイプが多数登場しています。

日本酒には「自分で晩酌を楽しむ」、「お世話になった人へのプレゼントにする」など、様々な楽しみ方があります。ぜひ実際にお店に足を運んで、テイスティングしてみてはいかがでしょうか。

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■プロフィール■
株式会社 三ツ矢酒店店長 鴨志田 総一郎さん
大正15年から続く三ツ矢酒店3代目
一方に偏ることなく公平に。入手困難な特定銘柄も適正価格で。をモットーに日々街の酒屋さんとしてはたらく。

■ショップ情報■
西荻窪 三ツ矢酒店
〒167-0053 東京都杉並区西荻南2丁目28番地の15 http://sake-mituya.com/html/