最近では「人生100年時代」といわれ、定年退職後の時間は人生全体のおよそ3分の1を占めるようになりました。セカンドライフでは、趣味を楽しむ・家族との時間を大切にするなど生き生きと過ごしたいものです。

しかし長年住んできた家は、徐々に老朽化も進みライフスタイルにマッチしなくなっている部分もありますよね。そこで、セカンドライフを充実させるための住まいづくりのポイントについて、シリーズ記事でご紹介していきます。

人生設計と一緒に、住まいの設計も一度見直してみてはいかがでしょうか?

1. セカンドライフを楽しむ住宅計画のポイントとは?

セカンドライフを楽しむための住まいづくりには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
ここでは、「趣味を楽しむ」「コンパクトに暮らす」「資金計画をする」「健康に暮らす」の4つの切り口からご紹介していきます。
セカンドライフをより充実させるために役立つ情報が満載!ぜひご参考にしてみてください。

①趣味を楽しむ

定年退職後のセカンドライフでは、趣味を楽しみながら生活したいという方は多いです。

たとえばガーデニング・音楽鑑賞・孫と一緒に遊ぶなど、思い思いの過ごし方があるでしょう。また最近では定年年齢の引き上げもトレンドになっており、70代、80代になっても現役で働かれているケースも見られます。楽しんで集中できるという意味では、仕事も趣味の一つといえるかもしれません。

そんな趣味や仕事を楽しむ住まいづくりとしては、子どもが巣立ったあとの子ども部屋を活用する方法が人気。スペースに余裕ができた分、夫婦それぞれに趣味部屋・仕事部屋を作るのもおすすめです。つかず離れずの距離感で過ごすことで、お互い気ままに一人の時間を大切にできるライフスタイルは素敵ですね。

ほかにもお酒が趣味の方はバーカウンターを設置する、運動が趣味であればトレーニングルームにリフォームするなど、住む方のライフスタイルによってリフォーム方法はさまざまです。

詳しくは「夫婦2人のセカンドライフを楽しむための住宅」の記事でご紹介します。

②コンパクトに暮らす

セカンドライフの暮らしを便利にするためには、間取りのコンパクト化がおすすめです。

LDK、寝室、トイレ、バスルームなどを近い場所に集約させることで、まるでワンルームのような暮らしにすることも可能に。

とくに「リビングダイニングは1階、寝室は2階」のように、部屋同士が離れている場合はセカンドライフには不便です。年齢を重ねると階段の上り下りで身体に負担が掛かってしまい、最悪の場合ケガの原因にもなってしまいます。セカンドライフでは、なるべく段差をなくしたフラットな間取りがおすすめ。バリアフリー化することで、この先の生活も安心です。

間取りの計画の際には、「動線」を意識するのもポイントのひとつです。動線とは人が行き来する経路のことを指し、動線が適切に考慮されていないと無駄な動きを生み出してしまいます。たとえばキッチン、洗面室、サンルームが直線状に配置されていれば、料理をしながら洗濯機を回し、洗濯物を干すといった一連の家事がスムーズに行えるでしょう。家事動線を適切に計画することで、体力的な負担も最小限に

詳しくは「老後を考えた大胆リフォーム~コンパクトハウス 」の記事でご紹介します。

資金計画をする

住まいのリフォームをするにあたっては、資金計画は重要です。

定年後の暮らしが20~30年程度続くとすると、住宅だけでなく生活費や医療費なども確保しておく必要がありますね。しかし「リフォームに興味はあるけれど資金が不安…」という場合でも、リフォームローンの借り換えやリバースモーゲージ、各種補助金等の方法を使って賢くリフォームされる方が増えています。

まず「リフォームローンの借り換え」とは、
現在借りている住宅ローンを別のローンに借り換え、その中にリフォーム費用を組み込む方法のことをいいます。最近は1%以下の超低金利が続いており、逆に借り換えたほうがお得になる場合も。現在の金利が住宅購入時よりもかなり下がっているという方には、特におすすめです

また「リバースモーゲージ」とは、
自宅を担保に資金を借り、死亡時に自宅を売って戻ってきた資金で借り入れを返済する仕組みを指します。毎月の返済は少額の利息のみなので、家計の支出を減らせるのがメリットでしょう。

さらに、リフォームを行う場合には自治体から補助金・助成金がもらえる場合も。また窓の断熱性能アップなど省エネに関するリフォームでも、補助金が支給されることがあります。ただしお住まいの地域によっても補助金内容は異なるので、ぜひチェックしておきましょう。

もし資金計画で分からない点があれば、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談してみるのもおすすめです。無料診断や資金シミュレーションを実施しているので、利用してみましょう。

詳しくは「手持ち資金を確保したままのリフォーム ~無理のない資金計画」「老後の資金も考えた家へのお金の使い方 」の記事でご紹介します。

④健康に暮らす

消費者庁によると、高齢者の転倒事故のおよそ半数が住宅内で起こっているというデータがあります。中には骨折で寝たきり状態になるケースもあり、

住み慣れた自宅だから安全というわけでもないことが分かります。

「バリアフリーのリフォーム」と聞くと、「車いす生活になった時に考えればいいのでは?」「自分にはまだ早い」と思われがちです。しかし健康寿命を延ばすためには、健康なうちから前もって準備しておくことが重要。

そもそも「健康寿命」とは、
介護の必要が無く自立して暮らせる期間の平均値を指します。内閣府発表の令和4年版高齢社会白書(全体版)では、健康寿命は男性が72.68年、女性が75.38年となっています。身体機能をサポートするための住まいづくりで備え、長く健康に暮らすという考え方がおすすめです。

具体的には、部屋間の段差をなくしてフラットな床面にする、照明器具を明るいタイプに交換する、断熱工事で室内を快適な気温にする等のリフォームが挙げられます。長年暮らしてきた住まいだからこそ、自分たちのライフスタイルに合った仕様に作り替えたいですよね。

詳しくは「体の衰えを感じ始めたときの準備 ~腰・肩・足が痛くならない住宅設備 」の記事でご紹介します。

セカンドライフを楽しむ住まいが実際に見られる

リフォームをお考えの方にとって、「実際にどんな仕上がりになるのか分からない」という点は不安ですよね。そんなお施主様向けに「リフォーム現場見学会」が開催されており、参加される方が増えています。生活動線の計画手法やバリアフリー住宅の作り方など、プロの目線からのアドバイスも聞けておすすめです。

リフォーム現場見学会に参加する際には、あらかじめ理想のイメージを準備しておくと打合せがスムーズです。

詳しくは「物件を見学するときのチェックポイント」の記事でご紹介します。

住まいのリフォームで充実のセカンドライフを

人生100年時代と言われる現代では、住まいのあり方も変化しています。

定年退職後のセカンドライフを豊かなものにするためにも、ぜひ住宅計画を見直してみてはいかがでしょうか?これからシリーズでご紹介していくリフォームのポイントについて、ぜひご参考にしてみてください。