ライフスタイルの変化で「住み替え」を検討する方が増えています。最近では子どもの頃に暮らした実家をリノベーションして、子世帯が引き継ぐというスタイルも人気!この記事では、実家を上手にリノベーションして新しく生まれ変わらせた事例を紹介します。広々としたスペースを有効活用して趣味を楽しむ暮らし方など、ぜひ参考にしてみてください。

■築52年の木造実家をリノベーション

◇基本情報

・70代の夫婦二人暮らし・建物:木造一戸建て(築52年)

・工事箇所:リビング・ダイニング・キッチン、玄関、階段、寝室、子ども部屋、収納、洗面所、トイレ

・総工事面積:97㎡

・工事費:約1970万円

・施工期間:70日間

もともとご主人の実家で、親世代との2世帯住宅としてお住まいでした。しかし親御様の逝去により、建て替えやマンションへの住み替えを検討開始。音楽鑑賞が趣味のため、オーディオを聴いても問題のない、下階が店舗の物件等への移住も有力候補となっていました。

◇実家リノベーションを決めた理由

・マンションにはない広さや庭

・娘家族や馴染みのご近所さんと離れず暮らせる

・断熱性や耐震性でも納得

マンションにはない実家リノベーションのメリットとしては、「ゆったりとした広さ」が挙げられます。また専用の庭があることで、景色が楽しめるのも嬉しいポイントです。

また近くに住む娘さん家族や、長年付き合いのあるご近所さんと離れず暮らせるというのも安心ですよね。

築年数が古いと、老朽化による問題が不安になってしまいます。しかしリノベーションで断熱性・耐震性も問題なく補完できることが分かり、納得!

以上の理由から、マンションではなく実家のリノベーションを行うことを決めました。

■実家リノベーションのポイント

ここでは、今回のリノベーション事例で特にこだわったポイントを紹介していきます。

◇実家リノベーションのポイント①趣味を大切にする暮らし

ご主人は、オーディオでの音楽鑑賞や油絵という趣味をお持ちでした。そのため、2階の元々ご生活していたフロアをご主人様の専用フロアへ変更、旧リビングをオーディオスペースに変更しています。新しいオーディオ機器も揃え、クラシック鑑賞を楽しまれています。大きな音量で聴いても問題ないよう、遮音カーテンを設置する等の対策も向上!さらに油絵のための個室も設け、広いスペースを存分に活用しています。

またドールハウス作りが趣味の奥様のため、リビングには飾り棚を造り付けています。素敵なディスプレイスペースがあることで、作品がより際立って見えますね。

広い庭は、芝生からレンガ敷きにリノベーションしました。透水性があってお手入れしやすくなったため、メンテナンスの手間が減り快適に!近くに住むお孫さんと一緒に遊ぶスペースとしても活用されています。

◇実家リノベーションのポイント②性能面はしっかり対策

実家をリノベーションするにあたってもっとも心配だったのが、「耐震性」「断熱性」などの性能面でした。木造住宅で築52年経過していたため、「今リノベーションしても安全に暮らせるの?」という不安も。ここでは、性能面でこだわったポイントを紹介していきます。

【耐震性】

この建物はもともとこまめにリフォームされており良好な状態でしたが、今回のリフォームは大きく間取り変更するプランだったため、改めて耐震性を見直しました。天井の補強や柱・基礎・土台の一体化工事でさらに安全性が向上しています。

【断熱性】

リノベーション以前は主に2階で生活されていたため、「1階はすきま風が寒そう…」と懸念。

断熱対策として、床下の断熱材を入れ替えました。発泡ウレタンで気流止めを施し、すきま風をがっちり防止。さらに床暖房を入れ、南面の大型サッシは断熱タイプに交換しています。これらの対策により、エアコンなしで過ごせるほど快適な室温に。

【バリアフリー】

年齢的なことも考え、間取りはバリアフリー仕様に設計しています。将来車いすでの生活になったときのため、もともと開き戸だったトイレは幅広の引き込み戸に変更。ゆったりとしたスペースが確保できているので、さらに暮らしやすくなりました。

また以前まで畳が敷かれていた和室も含め、すべてフローリングやクッションフロアに貼り替えています。汚れに強くお手入れが簡単なので、リフォームに人気の素材です。また段差があった箇所もフラットフロアにしており、つまづき防止対策もしっかり。これにより、お掃除ロボットが移動しやすくなったという思わぬメリットも。

◇実家リノベーションのポイント③オンリーワンの住まい

マンションへの住み替えも検討されていましたが、やはり子どもの頃から暮らしていた実家のリノベーションを選ばれました。その理由としては、「オンリーワンの住まい」であることが挙げられるでしょう。

亡くなられたご両親は、ご主人が生まれた時から柱に身長を刻んで残してこられました。それはご主人の娘さん、お孫さん(さらにペットの犬も)に引き継がれ、家族の成長の記録を伝えています。

今回のリノベーションでは、その柱をあえてリビングの目立つ位置に設置。もともと別の場所にあったのですが、表面のみ削って装飾として配置しています。柱を見るたびに家族の思い出が感じられそうですね。

この写真の照明とテーブルはそのまま活用しています。まわりが変わるだけでも印象が全く違います

今回のリノベーションでは、キッチンにもこだわりました。リビング・ダイニングとの間にあった壁を取り払い、開放的なアイランドキッチンに作り替えています。これにより、広いお庭を眺めながら料理することも可能になりました。

システムキッチン選びの際には、部屋の寸法にぴったりの既製品がなかったため苦労しました。リノベーション担当者と細かく打ち合わせを重ね、解決策としてキッチンと壁との間の空間に造作家具を設置することに。配置を大胆に変えつつ、使いやすい寸法になるよう細かな調整ができたのはリノベーションならではのメリットですね。

■実家リノベーションで理想の暮らし

家族構成やライフスタイルの変化で、住宅の在り方も変えていくケースが増えています。こちらで紹介したように、実家をリノベーションして暮らす方法もおすすめ!

築年数による老朽化など心配な面もありますが、耐震補強や断熱施工をすれば、以前より安全で快適な暮らしが送れますよ。趣味のオーディオや家族との時間を大切にできるライフスタイルは、実家リノベーションだからこそ。

これから住み替えやリノベーションを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?

今回のような、「住み替えか?」「リフォームか?」のようなケースのほかに、「建替え」「賃貸」などの選択肢、相続や税金などのお金の話など、ご実家の「これから」についてをご相談いただける「実家まるごと相談」を随時実施しております。面談のほかにオンラインでも相談可能です。
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