最近では「人生100年時代」といわれ、定年退職後の時間は人生全体のおよそ3分の1を占めるようになりました。セカンドライフでは、趣味を楽しむ・家族との時間を大切にするなど生き生きと過ごしたいものです。しかし長年住んできた家は、徐々に老朽化も進みライフスタイルにマッチしなくなっている部分もありますよね。

そこで、セカンドライフを充実させるための住まいづくりのポイントについて、シリーズ記事でご紹介していきます。ここでは「趣味を楽しむ」「コンパクトに暮らす」「資金計画をする」「健康に暮らす」の4つの切り口からご紹介!今回のテーマは「夫婦2人のセカンドライフ」です。

ライフスタイルの変化に合わせて、住まいも賢くリフォームしましょう。
セカンドライフをより充実させるために役立つ情報が満載なので、ぜひご参考にしてみてください。

夫婦2人のセカンドライフを楽しみたい

子どもたちが巣立って夫婦2人の生活になると、これまでのライフスタイルのままでは不具合を感じる場面もあるでしょう。また定年退職後のセカンドライフでは、趣味を楽しみながら生活したいという方は多いです。最近では定年年齢が65歳以上に引き上げられるケースも多く、生涯を通じて働き続けるスタイルも。

そんな趣味や仕事を楽しむ住まいを作るには、いくつかのポイントを守れば快適に。住む方のライフスタイルによってリフォーム方法はさまざまなので、自分たちにあった間取りを検討してみましょう。

夫婦2人のセカンドライフでよくあるお困りごとは?

子どもたちが進学や就職で実家を離れると、夫婦2人の生活になりますよね。それまで子育て中心に回っていたライフスタイルが一変して、ゆったりと落ち着いて過ごせる時間も増えるでしょう。

しかし20~30代で購入した新築住宅も、セカンドライフの段階になると築30~40年に。建物の老朽化が進んでいるだけでなく、ファミリー仕様に設計されている間取りでは不便に感じることも多くなります。じっさいに夫婦2人のセカンドライフになってからのお悩みとしては、以下の声が多く聞かれます。

● 夫婦2人では部屋が余ってしまう
● 趣味や仕事のための部屋が欲しい
● 夫婦それぞれの生活ペースが違う

子どもたちが独立した後は、それまで子ども部屋として使っていた部屋が余ってしまいスペースが有効活用できていないケースが多いです。せっかくある部屋が物置状態になってしまっては、もったいないですね。

また一般的な間取りだと、新築時に趣味のための部屋を作るのはなかなか難しいです。限られた建築面積の中では、LDKに寝室、洋室2部屋といったパターンの間取りにすることが多いでしょう。

そのため部屋に余裕ができたセカンドライフでは、自分たちのための趣味や仕事の部屋を作りたいという意見が多いです。

夫婦で長年一緒に暮らしているとはいえ、夫婦それぞれで生活のリズムが異なるとストレスが溜まるものです。たとえば一方が睡眠時間が短く早起きする習慣がある場合、長く寝ていたい方は騒音でストレスを感じてしまいます。四六時中一緒にいるのが窮屈に感じる場合、夫婦それぞれの生活スペースを分けるのも有効な手段でしょう。

リフォームで夫婦2人暮らしを快適にするポイント

ここでは、夫婦2人暮らしを快適にするためのリフォームのポイントをご紹介していきます。子育てが終わり、自分たちの趣味を充実できる暮らし方がしたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

①子供部屋を活用して趣味部屋に

子どもたちが独立した後は、子ども部屋を使う頻度は少なくなります。

帰省の際に宿泊するスペースとして使うこともありますが、年に2~3回の連休で使う程度であればそれ以外の期間がもったいないですね。4人家族の間取りなら、子ども部屋として使っていた2部屋が空きます。
そのため、夫婦それぞれの趣味の部屋として利用するのにぴったり

たとえば読書や仕事ができる部屋を作りたいという場合なら「書斎」、映画鑑賞や楽器演奏を楽しみたいのであれば「防音室」といった部屋を作るのがおすすめです。

さらにスポーツが趣味であれば「トレーニングジム」「ゴルフシミュレーションルーム」といった部屋を作ったり、天井の高い吹き抜け空間でボルダリングを楽しめる「クライミングウォール」といった内装を取り入れたりと様々な楽しみ方があるでしょう。

ほかにもお酒が趣味の方はバーカウンターを設置する、茶道がお好きであれば茶室を作るなど、住む方のライフスタイルによってリフォーム方法はさまざまです。セカンドライフを充実させるためにはどんな間取りにするのがいいのか、ぜひ考えてみましょう。

②夫婦それぞれのスペースを設ける

ご主人が仕事を退職された後は、仕事に出かけていた日中の時間帯も家にいることが増えます。
夫婦2人で過ごす時間が長くなるのは良い事のように思えますが、「自分の時間が無くなってしまう」と不満に感じる場合も。いくら仲の良い夫婦でも、一日中ずっと顔を合わせているとストレスが溜まるものです。こういった事態を避けるため、夫婦それぞれのテリトリーを保てるように計画しておくと、お互いにライフスタイルを崩すことなく生活できますね。

具体的なパターンとしては、食事をしたりTVを見たりといった時間はLDKで夫婦一緒に過ごし、その他の時間は各自個室で過ごせる「シェアハウス」のようなライフスタイルが挙げられるでしょう。完全に独立型の間取りにはしないことで「ゆるい距離感」が確保でき、それぞれが尊重し合って過ごせて生活満足度が高まります。

また最近では「いびきが気になる」「寝る時間が夫婦でバラバラ」といった理由から寝室を分ける選択肢も人気です。ただし介護の可能性がある場合などは、完全別室だと将来的に不便になることも。そんなケースでは、寝室は1部屋にしておいて家具などの間仕切りでスペースを分割する方法もおすすめです。

③バリアフリー仕様に設計する

夫婦2人だけのセカンドライフの段階になると、「健康面での心配事が増えた」という声が多く聞かれます。
年齢を重ねるにつれて怪我のリスクも増えるため、夫婦で支え合って生活していきたいものです。

家庭内での怪我のリスクを減らすためには、バリアフリー対応の間取りに変更するのがおすすめ

たとえば2階にあった寝室を1階に移動し、普段の生活は1階のみで完結できるようにすれば階段での事故防止になります。 最近では平均寿命が伸びていることにより、セカンドライフは20~30年続くのが一般的です。もし80代、90代になってから家のリフォームをするとなると、引っ越しや仮住まい探しの負担はさらに大変に。介護等が必要になる前にリフォームしておけば、体力にも経済力にも余裕があるためスムーズでしょう。

リフォーム・リノベーションの実例が知りたいなら

ここまで、夫婦2人のセカンドライフを楽しむための住宅についてご紹介してきました。子どもたちが独立した後の時間は意外と長いので、お互いにストレスなく充実した時間を過ごせる間取りにリフォームするのがおすすめです。

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これからの暮らしを豊かなものにするために、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。