最近では「人生100年時代」といわれ、定年退職後の時間は人生全体のおよそ3分の1を占めるようになりました。セカンドライフでは、趣味を楽しむ・家族との時間を大切にするなど生き生きと過ごしたいものです。
しかし長年住んできた家は、徐々に老朽化も進みライフスタイルにマッチしなくなっている部分もありますよね。

そこで、セカンドライフを充実させるための住まいづくりのポイントについて、シリーズ記事でご紹介していきます。
ここでは「趣味を楽しむ」「コンパクトに暮らす」「資金計画をする」「健康に暮らす」の4つの切り口からご紹介!今回のテーマは「老後を考えた大胆リフォーム〜コンパクトハウス」です。ライフスタイルの変化に合わせて、住まいも賢くリフォームしましょう。

セカンドライフをより充実させるために役立つ情報が満載なので、ぜひご参考にしてみてください。

広い家は老後のセカンドライフに不向きな場合も

子どもたちが小さいうちは、広い家の方が快適に暮らせます。
しかし進学や就職で独立していった後は、「夫婦二人だけだと広いスペースを持て余してしまう」という声が多いです。実際に、老後のセカンドライフでは広い家よりもコンパクトな暮らしの方が利点が多い場合も。

代表的なメリットとしては、以下が挙げられます。

● 部屋間の移動がしやすい
● 部屋の掃除が楽になる
光熱費がリーズナブルになる
●無駄なものが増えない

コンパクトな間取りにすると、部屋間の行き来が楽になります。台所仕事や洗濯といった家事作業のときに作業場所が離れている場合、時間や労力の大幅なロスに。とくに高齢になってくると、移動による足腰への負担はなるべく少ないほうがおすすめです。

また使う部屋を最小限にすることで、日々の掃除が格段に楽になります。それまで家じゅうの掃除をしていた場合でも、部屋の面積が減れば手間が減るでしょう。掃除が短時間でスピーディーに済む分、プラスで雑巾がけやワックスがけをする余裕も生まれますね。

一般的に各部屋でエアコンや冷暖房器具を使うと、電気代がかさんでしまいます。コンパクトな間取りだと家族がまとまって同じ空間で過ごせるので、光熱費を節約できるでしょう。一緒に過ごす時間が長くなれば、家族間のコミュニケーションも増えて一石二鳥です。

コンパクトな間取りだと収納スペースが少なくなってしまいますが、逆にいえば「無駄なものが増えない」のがメリットでしょう。ものを購入する前によく考えるようになり、自然と無駄遣いが減っておすすめです。

マンションと持ち家はどちらが住みやすい?

最近では住まいの選択肢が増え、「身軽な方が楽」と老後に家を売却してマンションに移り住むケースが見られます。たしかにマンションは便利な立地にあり、段差が無くフラットで住みやすい等のメリットがありますよね。老朽化してしまった持ち家に住み続けるよりも、魅力を感じるポイントもあるでしょう。

しかし将来のことを考えると、持ち家をメンテナンスして住み続ける方がおすすめです。

理由としては、若いうちは良くても、70代・80代になってからの賃貸住宅暮らしは想像以上に大変ということが挙げられます。住み続けたくても家主都合で退去を求められることや、家賃値上がりのリスクが考えられます。また高齢というだけで賃貸への入居を断られるケースがよく聞かれるため、「資金があるからどこかには入居できるだろう」という考えでは甘い場合も。

もし運よく引っ越し先が見つかったとしても、高齢になってからの引っ越しは体力的にも負担が大きいです。将来のことを考えると、たとえ老朽化していたとしても持ち家を長くメンテナンスして住み続けたほうが安心ですね。

またリフォームであれば、自分たちの住み慣れた環境がベースになるため変化へのストレスも少なく済みます。大胆な間取り変更を行うことで、まるでマンションのようなコンパクトな暮らしも可能に。マンションを新たに購入するよりもリーズナブルな場合が多いので、総合的に見てもお得でしょう。

コンパクトリフォームの上手な計画方法

セカンドライフの暮らしを便利にするためには、間取りのコンパクト化がおすすめです。LDK、寝室、トイレ、バスルームなどを近い場所に集約させることで、まるでワンルームのような暮らしにすることも可能に。

ここでは、コンパクトな間取りを計画するためのポイントをご紹介していきます。

ワンフロアにまとめる

2階建て住宅の場合、「リビングダイニングは1階、寝室は2階」のように、部屋同士が複数の階に渡っている間取りが多いですよね。最近では、日当たりの良さから2階にLDKを配置するのも人気です。

しかし部屋同士が離れている間取りは、老後のセカンドライフではなるべく避けたほうがよいでしょう。

年齢を重ねると階段の上り下りで身体に負担が掛かってしまい、最悪の場合ケガの原因にもなってしまいます。セカンドライフには、なるべく階差をなくしたワンフロアの間取りが向いています。バリアフリー化することで、この先の生活も安心です。

具体的には、1階だけで生活が完結できるような間取りがおすすめ。リビング、ダイニング、キッチンのほか、バスルームやトイレ等の水まわり、寝室があれば十分過ごせるでしょう。「1階の面積がそれほど広くない…」という場合には、リビングの一角に小上がりのタタミスペースを作って寝室にする方法も。3〜3.5畳程度の広さがあれば、布団を敷くのに十分です。日中には布団を収納すると、スペースが広く使えます。

「動線」の考え方を意識する

間取りの計画の際には、「動線」を意識するのもポイントのひとつです。

動線とは人が行き来する経路のことを指し、動線が適切に考慮されていないと無駄な動きを生み出してしまいます。そのためリフォームの際には、ライフスタイルに合った動線計画が欠かせません。

たとえばキッチン、洗面室、サンルームが直線状に配置されていれば、「料理をしながら洗濯機を回し、洗濯物を干す」といった家事の同時並行がスムーズに行えるでしょう。家事動線を適切に計画することで、体力的な負担も最小限になっておすすめです。具体的な動線計画のポイントとしては、以下が挙げられます。

● 水まわりを近くに配置する
● 家事動線と生活動線を分ける
寝室とトイレを近くに配置する

水まわりとは、キッチン・バスルーム・トイレといった水を使う部屋を指します。それぞれを近くに配置することで、料理や洗濯などの家事をまとめて行えます。また動線計画の際には、家事動線と生活動線が重ならないようにすることも大切です。「家事動線」とは炊事などの家事をする際の動線で、「生活動線」とは部屋間の移動経路を指します。両方が重なってしまうと、部屋の移動のために家族の入浴中に脱衣室を通らなければならなかったり、火を使っているキッチンを通る必要があったりと不便が生じてしまいます。

また老後を考えたリフォームの場合、トイレの近くに寝室を配置すると便利です。夜中に起きてもすぐ移動できて、安全性が高まります。介護の必要性がある場合には、寝室に洗面台を設置しておくのも安心でしょう。

リフォーム・リノベーションの実例が知りたいなら

ここまで、老後に備えたコンパクトなリフォームについてご紹介してきました。子どもたちが独立して巣立った後は、必要最小限のコンパクトな間取りにリフォームする方法が人気です。なるべくワンフロアに居室をまとめ、動線にも配慮した計画にすると暮らしやすさがアップします。今後リフォームをお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

「じっさいにリフォーム・リノベーションするとどんなイメージになるの?」「具体的な事例が見てみたい」という方には、リフォーム・リノベーション実例集をプレゼントしています。

これからの暮らしを豊かなものにするために、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。