黒が基調の「ブラックインテリア」が人気

インテリアに「黒」を取り入れる方法は、おしゃれで洗練された雰囲気で人気を集めています。黒は「部屋が暗くなるのでは?」というイメージから手を出しにくいと思われがちですが、上手に取り入れれば「高級感・重厚感」を演出できます。

シックで洗練された雰囲気になり、特に男性の方には人気です。ただしきちんと計画しないと、「圧迫感が出て部屋が狭く見える」「照度が足りない」という結果になる場合も。

そこで本記事では、上手に黒を取り入れる方法と、マンションリフォームのおしゃれな事例をご紹介していきます。

おしゃれなブラックインテリアにする方法

黒をインテリアに取り入れる際には、下記のポイントを守るのがおすすめです。

●無彩色のアイテムを選ぶ

●アクセントウォールを取り入れる

●間接照明で演出する

インテリアのアイテムは、「黒、白、グレー」といった無彩色で統一するのが基本です。「色が少ないと地味な印象になってしまう」と思われるかもしれませんが、洗練された印象にするには色数を絞った方がおしゃれにまとまります。

また壁面の一部にアクセントウォールを取り入れると、空間を引き締める効果があります。たとえばグレーや黒の壁紙を貼ったり、エコカラットなどのタイルを貼るのもよいでしょう。ただし壁面全体を暗い色にすると部屋が狭く見えてしまうので、あくまでも部分的に取り入れるのがコツです。

さらに照明は「あえて暗くする」と高級感がアップします。一般的な部屋でよく見られるシーリングライトだと部屋が明るくなりますが、のっぺりした印象になってしまいます。そのため間接照明やペンダントライトを使い、「多灯分散」の配灯で照らすのがおすすめです。調光機能を付けて明るさを絞れるようにしておけば、使い方の幅も広がります。

マンションリフォームの間取り事例「Before&After」

もともとワンルームの間取りでしたが、浴室の位置を移動してLDKと寝室のある間取りにリフォームしています。

マンションリフォームのきっかけ

男性のお一人暮らしで、もともとマンションの賃貸住戸にお住まいでした。同じ建物の分譲住戸に空きが出たため、今回リフォームして移り住むことに。夜勤もあるお仕事のため、「疲れて帰ってきたときに落ち着いて過ごせる部屋にしたい」とのご要望がありました。

マンションリフォームのこだわりポイント

エコカラットと鏡でおしゃれに

before

after

もともと通常の玄関でしたが、高級感のある黒を基調としたデザインにリフォームしました。壁面には鏡を貼ることで、限られたスペースも広く見えます。またグレーの壁面エコカラットは写真奥の浴室側まで繋げて貼られており、部屋全体で統一感が演出されています。

扉の色はもともと単色でしたが、高級感のあるツヤ色のシートを上から張り替えています。

また扉横のガラス棚は、靴の収納用に造り付けられました。物を少なく暮らす「ミニマリスト」のように必要最小限に抑えることで、上質なインテリアとなっています。

玄関には、洗面スペースが設けられています。あまり煌々と明るいのがお好みではないため、鏡面に縦のスリット照明を入れて照度を抑えているのが特徴です。

寝室|間接照明とガラス扉で上質空間

もともと浴室や洗面脱衣室があった場所を、寝室にリフォームしています。クローゼットの扉はガラス戸になっており、まるでモデルルームのようなおしゃれな仕上がりに。

壁面をふかしてできた幅に小型ダウンライトを3灯入れたことで、落ち着いた雰囲気が感じられます。また壁と壁の間に防音材を入れ、遮音性能を高めています。夜勤のあるお仕事で生活リズムが様々な方でも隣室の音を気にせずゆっくりと過ごせる仕様です。

トイレ|黒を基調とした洗練された空間

before

after

トイレの壁面には、玄関と同じエコカラットを使用しています。またトイレ本体もブラックのカラーにすることで、全体としてまとまりが生まれています。

通常の間取りであれば上部に吊戸棚が設けられますが、今回は壁面に収納を隠しています。余計な出っ張りがなく、空間をすっきりと見せています。

明かりはあえて暗めにして、縦にバーチカル照明を入れることでまぶしさを抑えています。天井上部にはガラス窓があり、昼間には自然光が入ってくる設計に。間取りがコンパクトな分、適度な「抜け」を作ることで開放感が感じられます。

LDK|適材適所のスマートな間取り

before リビングダイニング

before キッチン

リフォーム前は、キッチンだけが奥まっている間取りでした。およそ幅2mの広めのコンロと冷蔵庫置き場もあり、収納もたっぷりあるのが特徴です。

しかし今回のお施主様は普段料理をあまりせず、キッチンは最小限のスタイルをご希望でした。そのためもともとキッチンのあった場所に浴室を移動させ、リビングに幅1m29㎝程度のミニキッチンを設置しています。

after リビングダイニング

after キッチン

キッチンにはコンロとシンクが付いており、ちょっとした調理には十分な機能が備わっています。またダイニングテーブルが一体になっている製品のため、余計なスペースを取らずにすっきりとまとめられています。

LDKの照明は、光の色と明るさが変えられる「調光調色タイプ」が選ばれています。「ゆっくりと過ごしたいときにはオレンジ色の電球色、仕事や作業をするときは明るい昼白色」といったように、シーンに応じて切り替えができて便利です。

収納キャビネットは、既存の造作収納をそのまま活用しています。あえてリビングの壁紙と同じ素材を使って巻き込むように貼ったことで、存在感をなくしすっきりとした見た目に。

またLDKと玄関の間の扉はガラス製になっていて、視線の抜けが生まれています。通常の間仕切壁だと部屋が狭く見えてしまいますが、見通せることで奥行きが感じられるでしょう。

ちなみにキャビネットの取っ手も、ガラス扉と同じタイプに揃えています。細かいポイントですが、同じパターンを使うと部屋に統一感が生まれます。

さらに壁面には、木製の造作棚を新設しました。「なるべく家具を置きたくない」というお施主様のご希望によるもので、TV台としても活用されています。市販の棚を置く場合はごちゃごちゃした印象になってしまいますが、作り付けにすればインテリアの一部としておしゃれに見えるでしょう。

浴室|高級感あふれる内装

before

after

以前までの浴室も広々として使いやすい間取りになっていましたが、やはり築年数が経っていることからデザインは多少古いタイプでした。リフォーム後は他の部屋に合わせ、ブラックに統一したおしゃれな浴室に生まれ変わりました。

こちらも明るさを抑えて落ち着いた照明とし、高級感が感じられます。お施主様の身長に合わせてミラーを高めの位置に変更するなど、リフォームならではのオーダーメイドの仕上がりになっています。

コンセント・スイッチ|黒で統一

一般的な白いスイッチ類は、長年紫外線に当たっていると黄色く変色してしまいます。そのため今回の物件では、リフォームですべて「黒」に変更しています。

また照明のスイッチが多くなってしまうと壁面がごちゃごちゃとしてしまうので、LDKの照明はリモコン操作可能な器具で統一しています。ダウンライトや間接照明などたくさんの器具を使っていますが、リモコンにすることで操作性もアップしました。

マンションフルリフォームでおしゃれな住まいに

築年数が経っているマンションの場合も、フルリフォームすれば新築のように素敵な部屋に変えられます。1部屋だけのリフォームではなく、今回の事例のように「壁を移動させて間取り自体を変更する」といった大掛かりな工事も可能です。

新築物件であれば既存の間取りに住むしか選択肢はありませんが、リフォームならお施主様のご希望に寄り添った間取りに変更できるのがメリットです。これから住宅の購入をお考えの方は、ぜひマンションのリフォームも検討してみてはいかがでしょうか。