画家だった伯母様の家を引き継ぎ新旧が融合するカフェ空間へ。
そこで見えてきたのは、施主様の古き良きもの大事にする想いと、その家が持つ物語でした。
伯母様と伯父様が暮らしていた家を、都内に住んでいた施主様が引き継ぐことに。 当初は権利関係など不明点も多く大変な面もあったけれど、その分得られた価値も大きいと言う。「物を整理していくうちに人生が見えてきて、伯母が長く住んだこの空間を大切にしたいなとますます思うようになったんです。以前の面影が残っているので、当時のお弟子さんや親交のあった方々が来ると、懐かしそうに話をされています。絵もたくさん残してくれたので皆さんに見てもらうことができて伯母も喜んでいるんじゃないかと。ただ家を引き継ぐだけじゃなく、伯母の想いもつないでいくことで本当の意味で引き継げたのかなって思っています」 そんな施主様のこだわり、リノベーションに際しての想いを伺いました。
目次
1.美しい音色と絵画
ーー思い出を引き継いだ家
まるでそこに居ることが定められていたかのように鎮座する、大きなスピーカーと大きな絵画。 「オーディオのオーナーが亡くなってからは放置でしたので、もともと音楽好きということもあり引き継ぎました。極上の音色に包まれて、伯母の絵も喜んでいると思いますよ」
【check point】筋交と既存の柱
「この家を残したい!」という施主様の強い想いから始まったリノベーション。壁を取り払いオープンな間取りに変更しながらも既存の柱は残し、補強のためにも筋交いをプラス。引き継がれる木の質感がむき出しになることで、古の想いも息づく味わいある空間に。
2.素材感と照明計画
ーー思い出を体現した空間つくり
柱や床などのもともとある木の温もりを活かし、新しく揃えたテーブルや椅子も木調で統一。「いらしたお客様にはゆったりくつろいでいただきたかったので、この空間に合うようインテリアにはこだわりました。お目当ての品を手に入れるため、名古屋まで出向きましたよ(笑)」玄関の水墨風の塗装壁もショールームでセレクトしたこだわりの壁。照明は、ポイントで絞れるスポット照明を採用し、夜は落として大人な雰囲気に。日中はクラシックだった音楽もジャズに変われば、木の表情も一変します。割れガラスの照明器具も空間のアクセントに。
3.引き継いだ家具の再利用
ーー古き良きものに新しい価値を吹き込む
「他から持ってきたものではなく、もともとそこにある家具は味があるし、やっぱり家に馴染んでいる」とリノベーションを決めた時から既存の家具を使いたいと設計者に相談。食器棚やチェストは背面に合板を貼りカウンターに。鏡台は洗面台へと新しい命が吹き込まれました。
リフォームDATA
図面
和室・洋室・LDと区切られていた昔ながらの間取りの壁を取り払い、広がりのあるカフェ空間へ。どの席に座っても良質な音色が耳を撫で、柱と筋交いがポイントにあることで奥のソファ席はちょっとした個室感を演出。
詳細
お施主さま:S様 「伯母がこれだけ残してくれたからこそこの空間ができた」と話す施主様。 ご自身で3Dソフトを駆使しイメージを伝えたり現場に足を運びリクエストを出すなど積極的に参加し、理想のリノベーションを実現。 | |
施工場所 | 東京都新宿区 |
構造 | 一戸建て |
築年数 | 築60年 |
家族構成 | ご本人 |
担当支店 | ミサワリフォーム 新宿店 |
担当者 | 宮寺裕子・湯浅博明 |