職人に聞く!台風前の屋根対策。

台風の雨は、屋根を”上る“

台風シーズンに多く寄せられるお問い合わせの一つが、雨漏りの被害です。実は、強い風を伴う雨は普段の雨とは違い、雨漏りの被害が多くなります。その理由の一つが、雨が流れていく方向。通常、雨は屋根の上から下へと流れますが、激しい風雨の場合、屋根の下から上へと流れてしまうのです。例えるならば、雨の中スピードを出して車の運転をしていることと同じ。フロントガラスに落ちた水滴が上方へと流れていく、あれと同じ状態が、屋根にも起こります。防水シートが劣化している状態で雨水が上に流れてしまうと、屋根材の下にある防水シートや野地板(木下地)を留めている釘の部分にまで雨水が染み込み、釘穴から家の中へと雨水が漏れてしまいます。屋根材に亀裂や割れなどがあれば、被害はさらに大きくなる可能性があります。

今年の台風も大丈夫…とは限らない

「普段雨漏りしないから大丈夫」と決めつけるのは要注意。台風によるダメージは、年々蓄積されていき、放っておいても改善しません。特に築10年以上のお宅は、台風シーズンの前に、屋根の専門業者による点検・メンテナンスをおすすめします。雨樋の変形や劣化、棟板金の釘の抜け、屋根材やコーキング材(つなぎ目の充填剤)の劣化具合など、写真や動画で丁寧に説明してくれる業者だと、なお安心でしょう。また、海沿いの街など、ご自宅が風速の強い地域にあると、雨漏り被害の可能性も高くなります。国土交通省が定めた「基準風速」などを参考にしながら、屋根の専門業者に相談されることもおすすめします。

台風で雨漏りが発生した築30 年の家。屋根材を剥がすと防水シートが劣化し、役目を果たしていなかった
同じく台風で雨漏りが発生した築35年の家。防水シートの下にある木の板まで、雨漏りによって腐食

実際の台風被害から学ぶ
見落としがちな3つのポイント

2019年9月、10月に発生し、関東広域で甚大な被害をもたらした台風15号・19 号。
再び同じような自然災害が発生したとき…
我が家に対して、どのような備えをしておけば、私たちは安心・安全でいられるのでしょうか?
今回は実際の被害を振り返りながら、つい見落としがちな3つのポイントを紹介します。

①飛来物がシャッターを突き抜ける場合も

台風対策として、シャッターや雨戸を設置している方は
多いでしょう。雨が窓の隙間から室内に入り込まないよう
にしたり、飛来物によって窓が破損しないように守ってく
れますが、飛来物がシャッターや雨戸を突き破ってしまう
ケースも見受けられます。

防災・防犯ガラスの検討を!

②バルコニー床排水口の詰まりに注意!

意外と見落としがちなのが、バルコニーやベランダにある床排水口。排水口の入り口やパイプの内部に、枯れ葉やゴミ、泥などが詰まっていると、雨水が排出されず、プールのように水が溜まってしまい、室内まで浸水してしまう場合があります。

▼台風前の掃除が大切!

③台風被害に対応した保険に加入しているか?

自然災害によって建物・家財に被害があった場合、火災保険で補償することが可能。ただし、台風に備えた補償は「水災補償」「風災補償」「落雷補償」などがあり、どの補償内容が適用されるかは、被害状況に応じて異なります。

▼今の保険で補償されるか?まずチェックしよう!

備えれば「より安心」なアイテムたち

飛来物による窓割れを防ぐ防災安全ガラス
「合わせ複層ガラス」(日本板硝子株式会社)

飛来物がシャッターや雨戸を突き破って窓を割ってしまう場合も…。防災安全ガラスなら、飛来物による窓の破壊やガラスの飛び散りを防ぐ効果が期待できます。

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もしもの停電に備えて可搬型蓄電池
「パワーレイ・スリー」(エリーパワー)

家電の電源コードを直接蓄電池につないでおけば、平常時は電気を貯めながら家電を使用し、停電時は蓄電池から自動的に給電します。

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台風被害の経験者に聞く!
被災して改めて実感した、
“ やっておくべき” 備えとは?

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