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■40年ぶりの民法(相続法)改正
相続法が2018年に40年ぶりに改正され、システムが2020年7月末までに段階的に変更・新設されています。ニュースをきっかけに「相続」について改めて考えを巡らせた方も多いのではないでしょうか。
今回は「相続法改正」また「長生き時代」をキーワードに、相続対策が説明されました。
イベント参加は3組6名。ゆったりとしたソファ席にて、モニターを使用しながらのセミナーとなりました。
■セミナーの内容とは?
① 法廷相続権で起こりうる問題
相続が発生すると10か月以内に
「誰が何を相続するか」を決め、
「相続税を計算」し、
その「相続額を準備」する
必要があるとのこと。
家庭裁判所での相続関連の相談は年間18万件にのぼり、10年前の2倍となってることが説明されました。
増加の背景にはインターネットの拡大があげられるようです。インターネットで検索することにより、相続に関する知識が増え、自身の権利を主張することが可能となってきています。
セミナーでは様々なパターンのエピソードが紹介され、「ああ、そんなパターンもあるのか」と相続の複雑さを再認識しました。
② 遺言書の残し方
遺言書は一般的に2種類あります。全てではないですが、メリット・デメリットを簡単に説明すると以下のようになります。
自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | |
作成の仕方 | 自筆(2019年1月から一部分にワープロ・パソコン使用可)で作成。 | 公証人役場で、公証人が作成。 |
メリット | 費用が掛からない。 | 書き方の不備による無効が発生しない。公正役場にて保管されるので、紛失の心配がない。 |
デメリット | 書き方の不備で、無効となることがある。紛失や変造の恐れがある。 | 費用が掛かる。 |
最近では書店で 自筆証書遺言のセット が販売されていることもあるそうですが、それでも、作成の不備は起こりうるようです。
また、相続法の改定により、2020年7月から「自筆証明遺言」を法務省が保管する制度がスタートすることも説明されました。
③ 民法改正 配偶者居住権
今回の相続法改正で特に注目度が高いのは 配偶者居住権の創設 ではないでしょうか。
これまでは相続により、配偶者が居住していた住まいを売却するなどして、手放さなければならないケースが発生していました。
セミナーでは配偶者居住権の創設によるメリット、また、問題点に関しても事例を交えて話されました。
④相続税の対策
主な対策として以下の6つが説明されました。
- 生前贈与
- 住宅取得資金贈与税の非課税
- 教育資金の一括贈与にかかる贈与税の非課税
- 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税
- 生命保険金の非課税枠活用(納税資金にも有効)
- 養子縁組
また、直接的な相続対策ではないものの、成年後見制度についても触れられました。
成年後見制度とは、認知症になると法律上、意思無能力者となりその人の財産管理は家庭裁判所が選任した後見人が代理人として行う。というもの。
つまり、認知症となると、家族であっても裁判所の許可がなければ、財産の管理・処分ができなくなるわけです。その対策として注目されているのが、「家族信託」とのこと。
参加者の皆さんも、驚きを含め関心高く、耳を傾けていらっしゃいました。
⑤質疑応答・・・15分程度
講師も着席し、参加者の方と距離を近づけての質疑応答となりました。
⑥アンケート記入・・・5分程度
作業の合間をみて、アンケートに記入いただきます。 参加特典のボルボスタジオ青山カフェ&バー「カフェチケット」も配られました。
■まとめ
相続は誰もが、いずれは対峙する問題。法で定められているため、感情では解決できないトラブルに発展する可能性があるということを認識しました。また、法令は随時、見直しがされています。定期的に相続について家族で話しあったり、準備をしておいたりする必要があると感じました。
講師紹介
服 部 英 樹 | |
現職 | 税理士法人服部会計事務所 所長 服部行政書士事務所 所長 株式会社総合ビネスコンサルタンツ 代表取締役 株式会社FPサービス・ジャパン 代表取締役 とうきょう相続サポートセンター センター長 |
資格 | 税理士 行政書士 1級FP技能士 CFP®(ファインナンシャル・プランナー) 相続診断士® |
経歴 | 明治大学 大学院 経営学研究科 博士前期課程修了 東京都新宿区の公認会計士事務所勤務を経て独立 服部英樹税理士事務所を開業 |
とうきょう相続サポートセンター HP | http://tokyo-souzoku.jp/ |
イベント概要
開催日時 | 2020年1月24日(金)・25日(土)14:00~15:00 |
開催場所 | 青山サロン |
参加費無料・予約制・参加者特典あり |
■ 青山サロンでは毎月イベント開催
月に約2回、イベントを開催。今回のような住まいに関するセミナーや、ワークショップなどを開催しています。ぜひ、お気軽にご参加ください。